カウンセリングを受けてみた
僕は現在、心療内科に通院していますが、院外で初めてカウンセリングを受けてみました。そのカウンセリングが非常に有意義なものでした。
心療内科に通院しているのになぜカウンセリングを受ける必要があるのか?僕はセカンドオピニオンとして心療内科の医師以外とも話してみたいと思っていたからです。
心療内科への不信感
うつ病で心療内科に通院していて気付いたのですが、心療内科というところは診察の回転が実に早い。患者一人あたりの診察時間が極端に短いのです。
僕の場合のよくある診察のやり取りは以下の通りです。
医師「どう、調子は?」
僕「まぁまぁです。たまに調子の波が悪い時があってその時は何もできません。」
医師「そう、ちゃんと寝れてる?」
僕「睡眠導入剤が効いているので朝まで眠れます。」
医師「そう、ちゃんと休んでる?」
僕「ちょっと家事をやりすぎて疲れてしまう時がありますね。やめ時がわからないというか。」
医師「そう、あんまり無理しないようにね。今は会社のことは考えなくていいから。じゃあ薬また同じの1週間分出しておくから。」
以上です。所要時間としては1分もかかっていません。もちろん、聞きたいことがあれば医師も丁寧に答えてくれます。しかし、うつ病の回復のためには何を聞いていいのかがわかりません。
それで最後は薬をもらってさようならです。
本当にこれで僕のうつ病はよくなるのか?そんな些細な心療内科への不信感がセカンドオピニオンを求めたきっかけです。
カウンセリングは高い
僕はカウンセリング行為は心療内科の診察でするものだと思っていました。どうやらカウンセリングは専門職のカウンセラーが行うようです。相場も1時間1万円くらいです。治療のためとはいえ、かなり高いですね。
幸運にも、僕の会社にはカウンセラーがいることがわかりました。会社外部のカウンセラーに委託しているようなのですが、何より僕が直接費用を支払う必要がないのです。会社にお願いしてカウンセリングの機会を設けてもらいました。
カウンセリングを受けるためには会社に行かなくてはならない
カウンセラーは外部委託とはいえ、カウンセリング自体は会社の社屋の中で行われます。
僕はこれが非常に苦痛でした。
会社に行くまでの間に会社の同僚に会ったらどうしよう?今は会社の誰にも会いたくありません。会社の最寄り駅から会社までが苦痛です。
誰にも会わないように猫背でできるだけ顔を伏せ、早歩きで会社のカウンセリングルームへと急ぎました。
カウンセリング
ようやく、同僚のいる部屋から隔離されたカウンセリングルームへと辿り着き、安心することができました。カウンセラーは非常に品のいいおばちゃんでした。見るからに知的な感じがしますが、冷たさはまるで感じません。
※写真はイメージです
そんな品の良さからへの安心感もあってか、これまでの事実、それに対する感情、言いたかったが誰に言っていいのかわからなかった言葉など、心に溜め込んでいた言葉を次々とカウンセラーの方に聞いていただきました。
不思議なもので、自分の思いを言語化すると、「あれ?僕はこんな考えだったのか!」という自分自身への発見があります。さすがにカウンセラーの方は慣れたもので、その言葉の洪水を受け止めて冷静にアドバイスしてくれました。
まず、僕は「リーダーでいたい」と思う気質なんだそうです。確かに仕事の中で自ら望んで与えられた立場もリーダーとしての役割でした。そのため仕事の現場で「しっかりとしたリーダーでいなければいけない」という感情にとらわれすぎていたそうです。本来もっと早い段階で助けを求めなければいけなかったのに、そうした責任感が邪魔をしてズルズルとうつの発症まで放置してしまった、と。
うつの治療に向けてすべきことのアドバイスもいただきました。
- 1日15分でもいいから体を動かすこと(特に日光を浴びること)
- 些細なことでもいいから、誰かに承認してもらえる行為をすること、その承認がいい薬となること(僕の場合であれば家事をやって妻にありがとうと言ってもらえること、など)
- 休職している間は家庭生活を存分に楽しむこと
- 休職していることに罪悪感を持たないこと
特に最後のアドバイス、「休職していることに罪悪感を持たないこと」は僕に強く響きました。例えば、僕が腕を骨折して会社を休んでいたとします。その休暇期間に会社の誰かにあった場合、三角巾をしていれば骨折していることが一目瞭然なのできっと罪悪感は感じないはずです。それに対して、うつ病は他人の目からは外見上、心身を壊していることがわかりません。それが休職していることへの罪悪感に通じるので、今日会社に来ることを苦痛に感じた原因だそうです。
そんなこんなでカウンセリングの1時間はあっという間に終わりました。正直楽しかったです。
カウンセリングを受けてみて
カウンセリングを受けてみて、いろいろな気づきがありました。それはカウンセラーからのアドバイスだけでなく、自らの発言を言語化することで気がついた部分も多かったです。
確かに僕はカウンセリングを受けるまで休職していることへの罪悪感がありました。でもそれは悪くないことなんだと気づかせてもらいました。「僕はうつ病です」というプレートでもぶら下げてアピールしながら歩けば会社の誰に会っても平気かもしれない(それはそれでやべー奴ですけどね)。でも、そんなことをしなくてもうつ病で休んでいることを気にする必要はないんです。
やはり、人に自分の思いを言語化して吐き出す行為は重要なのだな、と実感しました。仮にこのカウンセリングが有料で相場通りの価格だったとしても十分に価値はある行為だと思いましたね。
様々な事情から、カウンセリングも受けることが難しい場合は自分の気持ちを言語化するだけでもいい気づきが得られます。おすすめです。