最終更新日)2018年5月30日
ソーシャルレンディングに投資してみた
今話題の投資、ソーシャルレンディングに投資してみました。某有名ブロガーさんもやたらとおすすめしています。
僕が投資してみた理由は以下の3つです。
- ほったらかし運用がしたい
- 投資ポートフォリオから株式投資の比率を下げたい
- うつ病からの復職不能となった場合のリスクヘッジ
ソーシャルレンディングでどの程度リターンが得られるのか?本当に安全な投資なのか?そのあたりを考えてみます。
ソーシャルレンディングとは
ソーシャルレンディングは簡単にいうと、個人で銀行の真似事のように融資ができる投資です。
- 個人投資家がソーシャルレンディング業者経由で中小事業者へお金を融資
- 30,000円程度の小額から融資が可能で、少ない資金でできる
- ソーシャルレンディング業者は個人投資家と事業者の間に入り、利ざやを稼ぐ
- 個人投資家は融資額に対して年利5〜10%の利息収入を得られるため、ミドルリスクミドルリターンといわれる
- 銀行と同じで貸倒れのリスクがあり、その場合は元本割れする
- 資金の貸出先はソーシャルレンディング業者が独自審査を行っている
今回は10年以上の実績のある業界最大手のmaneoという業者に選定しました(以下のリンクはアフィリエイトではありません)。 選定理由はソーシャルレンディング業界自体が怪しそうなので、大手を選びました。
【参考リンク】
ソーシャルレンディングのリターンは?
僕がソーシャルレンディングで、合計11案件に対して、150万円を貸付けてみました。その貸付に対して毎月利息が支払われます。
どのくらいの利息収入が得られるのか、僕の実際の配当予定をご覧ください。
配当予定日 | 総資産(円) | 分配合計額(円) |
---|---|---|
2018/05/14 | 1,507,893 | 7,893 |
2018/06/06 | 1,516,073 | 8,180 |
2018/07/09 | 1,523,622 | 7,549 |
2018/08/08 | 1,531,410 | 7,788 |
2018/09/06 | 1,539,197 | 7,787 |
2018/10/10 | 1,546,691 | 7,494 |
2018/11/07 | 1,554,032 | 7,341 |
2018/12/07 | 1,560,894 | 6,862 |
2019/01/15 | 1,565,719 | 4,825 |
2019/02/06 | 1,570,544 | 4,825 |
2019/03/11 | 1,574,903 | 4,359 |
2019/04/08 | 1,579,106 | 4,203 |
分配利益合計(円) | 79,106 |
約5.2%の利率で運用できそうです。しかも短期で貸付け終了の案件もあるので、返済元本と利息で再投資も可能です。
これを見て、
「お、ソーシャルレンディングも悪くなさそうだな。やってみるか。」
と思われた方、一度深呼吸をして考えてください。これはあくまで融資を受けた事業者が返済をできた場合の想定です。
この配当予定だけを見て、安易に手を出すのは危険です。僕は過去に投資で大失敗しているので慎重派です。
本当は金投資なんてしたくなかった、僕の投資失敗談に学ぶリスク対策 - のほほん帝国
ではソーシャルレンディングのリスクを考えていきます。
ソーシャルレンディングのリスク
(1) なぜ借り手は銀行から借りない?
ソーシャルレンディングのリスクは高いと考えています。近年はクラウドファンディングの普及により、インターネット上でのお金の出資にたいして無防備になっている気がします。貸したお金は返ってこないつもりで貸せ、その原則に立ち返って考えなければなりません。
もし、あなたが借り手の事業者の立場でお金を借りる場合、当然利息の低いところから借りたいはずです。通常は以下の順番で、できるだけ安い利率で金融機関から資金を調達します。
- メガバンク
- 地銀
- 第二地銀
- 信用金庫
- 信用組合
メガバンクが一番利率が低く、信用組合が一番利率が高いです。ソーシャルレンディング業者は上記の金融機関よりも利率の高い、いわゆるノンバンクです。
当然、金融機関から融資を受けるには、しっかりした事業計画や不動産などの担保が必要になり、審査にコストがかかります。
銀行からの融資が受けられるまで、運転資金を確保するためのつなぎ融資ということも考えられますが、それにしては各案件の貸出期間が長すぎます。
借り手の事業者がわざわざ高金利のノンバンクであるソーシャルレンディング業者から借りる、というのは上記の金融機関に比べて、融資審査がザルだからではないでしょうか?
銀行は融資の際にまず担保を重要視しますが、ソーシャルレンディングには不動産担保付の案件もあります。不動産担保があるにもかかわらず、なぜ銀行からの審査が通らないのか疑問です。
もちろん貸倒れ(返済不能)はソーシャルレンディング業者の評判にも関わるので、各業者は厳密な審査をしている、と宣伝しています。
しかし、事実から推測すると、銀行に比べてソーシャルレンディング業者の審査がザル、としか考えられません。このあたりは、僕の個人判断だけでは不安なので金融機関関係者に聞いてみましたが、僕と同意見でした。
お金を借りる事業者には事情があるのでしょうが、僕は上記で述べたことは大きなリスクです。バブル崩壊後に、多くの貸倒れが発生し、不良債権が大量発生したことを忘れてはいけません。
そう考えれば、ソーシャルレンディングは決して安全な投資と言い切ることはできません。
(2) 1件のローン案件が複数案件の抱き合わせで構成されており、投資家は事業計画書を見ることができない
もう一点のリスクは、1件の貸出ローン案件が複数業者(仮にA社とB社への融資とする)への貸出の抱き合わせで構成されている場合が多いことです。
一見、安全そうな投資(A社は低リスク)でも、ローンの抱き合わせのもう一件の案件(B社が高リスク)が高リスクの案件だった、という可能性はありそうです。
しかも、投資家が借り手の業者(A社、B社)の事業計画書に目を通すことができないので、
「よく事業内容はわからないけど、投資してみようかな」
という選択しかできないのです。これは危険です。事業計画書を見ずに融資を実行するケースなど他のどこにもありません。
仮想通貨であまりにもハイリターンの投資を見慣れていて、利率5%程度であれば安全な投資だと錯覚している可能性があります?
まとめ
上記のリスクから、ソーシャルレンディングは、安易にはおすすめできませんが、仮想通貨よりはリスクが低そうです。
そもそも仮想通貨とは何か?暗号通貨?流通して困るのは誰か? - のほほん帝国
もしソーシャルレンディングに投資する場合は、1件のローンファンドに集中投資せず、できるだけ複数のローンファンドに分散投資が必要です。これは一件の貸倒れが発生しても、他のローンファンドでカバーするためです。
そのあたりのリスクコントロールが上手くできる方であれば、ソーシャルレンディングは有効な投資ポートフォリオの一つになりそうです。